前回のブログの「アンティークのドアストッパー」に関連したドアストッパーについて書きたいと思います。

イギリスの屋敷や家などで目にすることのあるアンティークのドアストッパーは前回紹介したようなものがあり、現在でも使われています。しかし、家には数多くのドアがあり、日本のようにフックで留めるドアストッパーは無く、その全てにドアストッパーがあるわけではありません。ここバーリーハウスのような大きな屋敷ともなると数百のドアが存在し、その全てにはドアストッパーはありません。

そこでたまたま目に入った重い物がドアストッパーとして使われたりします。もちろん、それらはドアストッパーとして作られたものではないものばかりです。バーリーハウスの屋根裏部屋に使わない家具が収納してある部屋があります。現在、そのドアストッパーは直径15センチほどの大きな象牙(長さは約30センチ)です。

バーリーハウスの先代当主Lady Victoriaが引き継いだ時には、そのドアのドアストッパーは日本の相撲取りの陶器が使われていたそうです。

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それは実は1670年頃に作られた伊万里の陶器で博物館に入るレベルのものです。購入された時はとても高価だったと思われますが、長い間ハウス内にあり引き継いだ後継者たちは、日々目にするただの陶器の相撲取りと認識するようになりドアストッパーとして使うようになったのだと思われます。幸いなことに無傷で現在はグレートホールのガラスキャビネットの中に大切に保管されています。

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中国の陶器の壺でドアストッパーとして長年イギリスの民家で使われていたものが、1億円近くの値段で落札されたという二ユースも昨年ありました。

古いものを捨てずにとっておく習慣が根付いているイギリスならではの話です。