アンティーク家具でよく使われるギルディングを先週紹介しましたが、ヨーロッパで使われた他のギルディングについて見ていきたいと思います。

ハニーギルディング(Honey Gilding)
金箔をすりつぶし蜂蜜と混ぜて筆で塗り低温で焼くギルディングです。陶器やガラスでは18世紀までヨーロッパで主要なギルディングだったそうです。分厚く塗ることで盛り上がったギルディングになり、柔らかい特性を生かしその表面に模様をつけることもありました。他のギルディングに比べ磨耗しやすいです。

リキッドゴールド(Liquid Gold)
粉にした金箔とオイルを混ぜて液状にして焼く技法で主に陶器で使われたそうです。1730年頃にマイセン、18世紀中頃にはイギリスでも使われ始めました。

マーキュリーギルディング(Mercury Gilding)
前回のブログで少し言及したギルディングで、金属、陶器、ガラスなどに使われました。金箔をすりつぶし水銀と混ぜ表面に塗り低温で焼くギルディングです。この工程で発生する気化した水銀が危険なため現在は禁止されている技法ですが、しっかりと付着し磨耗しにくいという利点があります。

エレクトロギルディング(Electro Gilding)
電気メッキで、金を含む溶液からその物質を還元させ、表面に電気で付着させる技法です。19世紀にこの方法が実用化され、工程が危険なマーキュリーギルディングからこのエレクトロギルディングに移り変わっていきました。

アシッドギルディング(Acid Gilding)
19世紀後半に陶器メーカーミントンによって使われ始めた技法で、陶器の表面を酸で腐食させることを利用したマットなギルディングです。

Gilding2-1 Gilding2-2 Gilding2-3

Gilding2-4 Gilding2-5 Gilding2-6

その他に、ブロンズなどでよく使われたマットギルディング(Matt Gilding)などいろいろありますが上記がヨーロッパで使われた主なギルディングだと思います。