以前のブログでも少し言及したことがあるマーケトリーとパーケトリーについて少し紹介したいと思います。

マーケトリーとは主に薄い木の板を表面に張り、模様や絵などを作りだす象嵌細工の技法です。様々な種類の木材を利用することが多いですが、木材の他に鼈甲、象牙、骨、真鍮、ピューター、マザーオブパール(白蝶貝)、アワビ、色をつけた藁などが家具や建築物の装飾に使われてきました。

Marquetry1 Marquetry2

家具や建築などのマーケトリーの起源は、フィレンツェやナポリを中心に作られていた半貴石を使った象嵌モザイクからアイデアを得て16世紀に作られ始め、ベルギーのアントワープを中心に発展しヨーロッパ中に伝わりました。

マーケトリーに非常に似た象嵌細工にパーケトリーがあります。マーケトリーは絵や流れるような模様が特徴ですが、パーケトリーは幾何学模様の象嵌細工のことになります。

Parquetry2 Parquetry1

少しの違いのように思えますが、この違いを知っていると家具や建築装飾の見え方が随分変わり、より興味深いものになると思います。ヨーロッパの博物館、美術館、マナーハウス、宮殿、城などにある家具も違って見えるかもしれません。