ジョージアンとは主に1714年から1830年の、王であったジョージ1世からジョージ4世の統治期間のことを指します。また、それに続くウイリアム4世(1830ー1837年)もまとめてジョージアンに入れることが多く、当店ではウィリアム4世も入れてジョージアンと呼んでいます。。

ビクトリアンとはビクトリア女王が統治した1837年から1901年を指します。

ジョージアンとビクトリアン。アンティークに触れていると、質や材質、そして職人の技術の差があると常々感じます。

私の本職であるアンティーク家具修復では様々な時代の家具を毎日のように目にします。毎日見ていると、構造や材質などイギリスが最も良質な製品を作り出していたのはジョージアンであると実感します。ジョージアンは職人の技術や使われた材質がとても良く、デザインも洗練されていると思います。

ビクトリア時代にももちろん良いものは沢山ありますが、全体的にみるとジョージアンと比べ質は落ちる傾向にあると思います。それは産業革命が起こり、機械の導入で大量に早く加工できるようになった為、職人の質が落ちたことが大きいのではないかと思います。そしてデザインもジョージアンの時代の美しく軽やかで洗練されたものから、ビクトリアンの華やかではありますがゴテゴテとした重い印象のものへと大きく変化しました。

イギリスではジョージアンの人気は高いのですが、それも頷けます。

イギリス人の代々アンティークディーラーをやっている知人から「今では考えられないけれど、祖父が買い付けをしていた頃はジョージアンはアンティーク、ビクトリアンは中古のような扱いをしていたんだよ」という話を聞いたことがあります。それはやはり洗練された美しいデザインであったり、材質の質の高さからだったのでしょう。

日本ではイギリスのアンティークと言えばビクトリアンの時代のものが人気ですが、それはおそらく、ジョージアンのものは日本にあまり多く入ってきていないからだと思います。そもそも、古ければ古いほど現存する数は少なくなり必然的に値段も上がってしまいます。イギリスでもコレクターが多いため、良質のジョージアンのものはなかなか日本まで出回ってはいないのでしょう。もっとジョージアンを目にしさえすれば、日本でももっともっとジョージアンのファンが増えるだろうにと思ってなりません。

ジョージアンの家具

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ビクトリアンの家具

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