バーリーハウスのオールドキッチンの壁には亀の頭骨が飾ってあります。

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1750年代に西インド諸島(カリブ海域)から持ち帰ったアオウミガメから作られたスープがイギリスの裕福な貴族の間で人気になりました。ここバーリーハウスでも食べられていました。

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冷蔵技術が未発達だったこの時代、保存がきく食料は長い航海でとても重要になってきます。特に肉の保存は難しかったと思います。そのような状況下で船乗りたちに重宝されたのがウミガメです。生きたまま航海に持っていくことができ、保存食として加工されていない唯一の肉でした。

アオウミガメはウミガメの中で最も美味とされ、ディナーパーティーには亀のスープは欠かせないものとなったそうです。ピーク時は一年間で1万5000匹もの生きたアオウミガメがイギリスに持ち込まれました。そのため19世紀初頭には絶滅寸前まで数が減りました。

人気があった理由の一つに、部位によって味が異なり、仔牛肉、牛肉、魚、ハム、豚肉のような味がしたそうです(本当かどうかわかりませんが)。

そこで生まれたのがMock Turtle Soup(疑似亀スープ)です。レシピは様々だったようですが、牛肉、ハム、牡蠣、野菜、動物の皮、舌、脳、そして必ず牛の頭を入れ、味や食感が再現されました。
「不思議の国のアリス」で出てくる頭と足が牛の亀(Mock Turtle)はこの疑似亀スープから来ています。イギリス人はこのようなブラックユーモアが好きな国民なのです。

Turtle Soup