大きな宮廷や邸宅、マナーハウスにはオランジェリー(Orangery)という建物が付随していることがあります。
オランジェリーとはオレンジやその他の温暖な地域のフルーツを栽培するための建物で、16世紀から19世紀にかけてヨーロッパ各地、特に冬が寒い中部から北部にかけて作られました。

木が育つために作られた大きな空間には南向きに光が取れるように多くの窓もしくは大きな窓を設け(ブログ:窓税金)、冬の寒い時期には暖炉やストーブが使われました。

Orangery (1) Orangery (2)

Orangery (3) Orangery (4)

輸送手段が今のように便利でなかった時代に暖かい国で育つ珍しい、そして美味しいフルーツを自分たちが住んでいる邸宅で食べることは貴族や裕福な人々にとっては本当の贅沢であり、富を見せつけるものでもありました。

最初のオランジェリーは1545年にイタリアで作られヨーロッパ各地に広がります。ドイツ、フランス、オランダなどには17世紀に多く作られ、イギリスには18世紀に入ってきます。1761年にケンジントンパレスに最初に作られ各地に広がりました。ここバーリーハウスのオランジェリーも18世紀にケイパビリティーブラウン(過去のブログ参照)によって作られました。

Capability Brown

現在、一般公開している宮廷、邸宅、マナーハウスにあるオランジェリーはそのまま植物を栽培しているところもありますが、ここバーリーハウスのようにレストランやカフェに改築されて使われていることが多いようです。