先週のブログの最後の写真にある鏡の両脇のろうそく立ての修復についてです。

バーリーハウスの屋根裏にある倉庫で発見されたこのろうそく立ては、発見されたときはこのような状態でした。上部のカップのハンドル部分の欠損、カップ上部にあった装飾の欠損、そして右側の月桂樹の葉の装飾の欠損、そして汚れすぎているのでクリーニングの必要性がありました。

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本体はライム(イギリスではLimeと呼ばれる木でシナノキ科の木材)が使われ、表面に金箔が貼られています。彫刻の質とデザインから18世紀に作られたものだと推測されます。

ライムの木材を用意し、欠損している月桂樹の葉を丁寧に彫っていきます。

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そしてカップの上部はリサーチの結果、炎が欠損していることがわかり炎を彫りカップのハンドルも彫り加えます。

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白っぽく写っている箇所が修復箇所です。

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全体をクリーニングし欠損箇所に金箔を貼り、全体の古い風合いを再現して修復完了です。イギリスの修復では過度なクリーニングはしません。古さを残した状態を大切にします。修復したのがわからないようにするのがポイントです。

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