イギリスのシルバーにはホールマークと呼ばれる刻印が付いています。
ホールマークとはイギリスの銀製品の品質をチェックする機関であるアッセイオフィス(Assay Office)によって押される刻印で、この刻印によって年代、メーカー、刻印された場所がわかります。このシステムは1238年から現代まで続く、おそらく世界で最も長く続く統制されたシステムだと思います。このシステムのおかげで信頼性や質の高い銀製品であることが証明されるため、世界中でイギリスの銀製品が高い評価を得ている要因の一つでもあります。

ホールマークの基本の刻印は次の5つになります。

(1)シルバースタンダードマーク(Silver Standard Marks) 92.5%以上の銀の純度の純銀であることを証明するライオンのマーク(Lion Passant)

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(2)アッセイオフィスのマーク:ロンドン、バーミンガム、シェフィールド…など。イングランド、スコットランド、アイルランド各地にオフィスがありどこの機関で押されたかがわかります

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(3)年代を示すアルファベットのマーク(Date Letter)

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(4)税金のマーク(Duty Mark):これはジョージアンとビクトリアン期に見られる刻印で、王室に税金としてお金が徴収されたことを示すマークです

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(5)メーカーの刻印:各工房や個人で事前にアッセイオフィスに登録して使うことが許されます

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この他にも例外的な刻印があったり上記のものが抜けていたりすることがあります。
まずはこの基本を抑えることがポイントです。