アンティーク、特にキッチンもののアンティーク好きにはおなじみのこのJames Keiller & Sons Dundee Marmaladeの白地に黒の文字が素敵な容器。スコットランドのDundee(ダンディー)で作られたマーマレードの古い容器です。
初めてこの容器を目にした時、マーマレードの原料となるオレンジとスコットランドは全く無関係のように思え不思議に感じたのを覚えています。

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その昔、スコットランドの商人がセビリアの街路樹として使われているオレンジの木になった食用に向かないオレンジを買って、その皮でマーマレードを作り出した、スコットランドがマーマレードの発祥の地だと耳にしそれを信じていましたが、マーマレードはスペインやポルトガルで少なくとも15世紀には作られ食されていたそうです。なのでDundeeはマーマレードの発祥の地というわけではありません。

Dundeeとマーマレードの関係は意外に古く18世紀にまで遡ります。
嵐を避けるためにDundeeの港に停泊していたスペインの貨物船からJames Keiller氏が貨物のオレンジを格安で買い取ったことが始まりと言われています。その船のオレンジはスペインのセビリアからのもので嵐などによって長引いた航海によって鮮度が落ち、Keiller氏の妻Janetが砂糖と煮込みマーマレードにし販売したそうです。1797年に世界で最初にマーマレードを商業的に販売したことでその後有名になり、19世紀には需要も増えて工場も各地にできました。19世紀後半にはオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、インドや中国にまで輸出されるほど成長しました。