1730年頃に中国から輸入されたゲームテーブルが、バーリーハウス内にあります。カードゲーム、チェスやバックギャモンを楽しむことのできるこのテーブルの上には象牙でできたチェスの駒がディスプレイされています。緑の駒も象牙製で、染められています。

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現在の当主ミランダの前のレディービクトリアの時代に、白のクイーンの駒が盗まれたそうです。現在はバーリーハウスの一般見学ルートの各部屋にはアラームが設置されていますが、昔はアラームが設置されていない時期もあり、誰もが簡単に展示物に触れることができたためです。

一つだけ駒がない状態では見栄えが良くないので、先代のレディービクトリアが象牙の修復師(私の友人の父親)に依頼し作ってもらいました。

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剣を持っている右隣がクイーン

非常に精巧に彫られているため新たに彫られたものということは、ほとんど誰も気がつかないと思います。しかし、1か所だけこれが新たに彫られたものであることを証明するものが付け加えられました。このクイーンを掘った修復師はクイーンの腰になんと携帯電話を彫り込みました(腰の帯の右上)。

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修復師がこの遊び心を先代のレディービクトリアに伝えたところ、大笑いしたそうです。おおらかなイギリス、このようなユーモアが受け入れられ、バーリーハウスの所蔵品に新たな歴史とストーリーが加わりより興味深いコレクションになりました。