アンティークとは100年以上前に作られたものを指します。そのような古いものは時間の経過とともに壊れたりして少なくなっていくので、希少価値が増していく傾向にあります。

しかし、そんなアンティークにもトレンド(流行)があり、それがアンティークの価値にも影響を与えます。

アンティークの中で時代によって、特定の分野の人気が高まり入手が難しくなって値段が高騰することがあります。逆に人気があまりなくなり値段が下がるアンティークもあります。

アンティーク全般ではその分野は幅が広く、個別に言及することはできないので私の本職であるアンティーク家具(修復)についてお話します。

質の高い家具、出所がはっきりしている家具についてはトレンドの影響を受けず常に高額になりますが、大型の家具については以前よりも全体的に値段が下がりました。それは生活スタイルの変化が大きいと思います。現在のイギリスは海外からの不動産投資の影響もあり家の価格(賃貸も含む)が高騰し、特に若者は家を買うことがかなり難しくなってしまいました。そのため、購入できる家も小さめで住む空間も狭くなりました。その結果、所有できる家具の大きさも小さくなり、小さめの家具の人気が増しました。

マクロな視点で見ると、違うトレンドが見えてきます。世界のアンティークの流れです。経済が成長している国のアンティークは高騰する傾向にあります。現在は中国で、中国のアンティークがこの10年でかなり高騰しました。中国本土では少ない中国のアンティークを中国人が世界から買い戻しています。今もまだ高いですが、その前はロシアでした。

投資の対象になっている絵画や貴金属(地金)も経済に関係していると思います。

生活スタイル、世界の政治経済が意外にもアンティークのトレンドに影響を及ぼしているのです。

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