アンティークのものには様々なマークが押されています。それは、メーカーの刻印、質を検査した時に押された刻印、デザインや特許などが登録された時の刻印など様々です。

通常の刻印は素材ごと(銀器、家具、陶器、ガラス etc)に押される刻印がほとんどですが、幅広く様々な素材に渡り使われた刻印があります。イギリスのアンティークに触れる機会の多い人は一度は目にしたことがあるマークがこのマークです。

ダイヤモンドマーク(Diamond Mark)、ダイヤモンドレジストレーションマーク(Diamond Registration Mark)、カイトマーク(Kite Mark)などと呼ばれるビクトリア時代のデザイン登録の刻印です。デザインの登録であるため広く使われ様々な製品に見られる刻印です。

1835年に国会でこの登録の議題があがり7年後の1842年から実用化されました。この登録をした場合、3年間デザインが法的に保証され、その期間に登録されたデザインを無断で使用した場合は30ポンドの罰金(この時代では高額な罰金)がさせられました。

1842年から1867年まで使われたタイプのマーク

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この期間のマークにある数字と英字から読み解くために必要な表

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例としてあげているマークを読んでみると、マテリアルの種類は1で金属、登録された年はNで1864年、月はWで3月、日にちは26日、バンドル(登録に行った日に何番目に登録されたか)はここでは7と記載があるので7番目に受付されたということが読み解けます。

1868年から1883年の間に使われたタイプのマーク(マテリアルの種類の場所以外の四隅の数字と英字が以前のマークと異なります)

figure3

この期間のマークにある数字と英字から読み解くために必要な表

figure4

例としてあげているマークを読んでみると、マテリアルの種類は1で金属、登録された年はEで1881年、月はIで7月、日にちは25日、バンドル(登録に行った日に何番目に登録されたか)はここでは7と記載があるので7番目に受付されたということが読み解けます。

このダイヤモンドマークが読み解けるとまたひとつアンティークの面白さが広がっていくと思います。