BBCで放送されたシャーロックホームズがNHKでかなり昔ですが放送され、子供の頃よく観てシャーロックホームズの世界観に憧れていました。シャーロックホームズを本やドラマで知っている方はご存知だと思いますが、彼は自宅で実験や解剖をしているシーンがあります。この影響もあり実験器具、医療器具のアンティークも好きで、見かけるとよく買っていました。

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10年以上前ですが、見るからに古い医療用のナイフだろうと思われるナイフを見つける度に手に入れていました。何本か手に入れた時点で、売っているディーラーと話した際にこれらは医療用では無くQuill Kinfe(クイール ナイフ)と呼ばれるナイフだと教えてもらいました。Quillは大きめの羽の意味です。昔のヨーロッパの映画やドラマで出てくるQuill Pen(羽ペン)の先を切ったり削ったりするためのナイフだったのです。

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調べてみると時代によって様々な形状のクイールナイフが作られてきたことがわかります。

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羽ペンの羽は様々な鳥の羽が使われたそうです。最も良いとされたものは雁、白鳥、七面鳥で、カラスや鷲、鷹、フクロウなどの猛禽類の羽も使われました。

同じく医療用だと思い込んで手に入れたナイフにこのようなものがあります。後になってわかったのですが、これは紙や羊皮紙にインクで間違えて書いた時に表面を削る道具でした。消しゴムのような役割をする道具です。

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このように興味のあるものを手に入れた後、数年後に本当の用途が判明することがアンティークの世界にはよくあります。このように手に入れたものは忘れることなく、自分の知識として蓄積されていきます。アンティークの醍醐味の一つでもあります。