10年以上前に手に入れたものですが、このような古い革のバンドがあります。懐中時計を腕に取り付ける為のバンドで1900年頃に作られ普及したものです。(懐中時計のサイズに合わせて様々なサイズがあります)

Wristlet1

懐中時計(Pocket Watch)はポケットに収納し時間を確認する際にポケットから出し確認するという使い方で長く使われてきました。19世紀になると懐中時計は広く普及し、19世紀後期になると通信技術が発展し戦場で時間に合わせて作戦を決行するために時計はより重要になりました。戦場でポケットから出し入れする煩わしさを無くすために腕につけるこのようなタイプのバンドが作られました。

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これはWristletと呼ばれ、軍事目的で最初は普及しましたが、便利なことで一般にも広まり、すぐに自転車や乗馬、旅行者などをターゲットにも販売されるようになったようです。男性はポケットから懐中時計を出して見るという習慣が根強く残っていたため、一般的には男性にはあまり普及することなく、女性の間で流行りました。

1920年代に入ると現在の目にするようなタイプの腕時計が主流になっていったようです。

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