ここバーリーハウスにはステイブルコートヤード(Stable Courtyard)という場所があります。Stableとは馬小屋、Courtyardとは建築物などで周囲を囲まれた屋根のない場所(広場)を意味します。

このステイブルコートヤードは18世紀ケイパビリティー・ブラウンによってデザインされ作られました。

Stable Courtyard

今のように車のない時代、貴族の生活に馬は欠かせない動物で、馬小屋がメインのハウスに隣接した場所に作られていることが多いことからも馬は重要であったことがわかります。現在はこのステイブルコートヤードは馬小屋としては使われておらず、私が仕事しているような修復工房が複数入っています。

現在は、私の働くアンティーク家具修復工房、テキスタイル修復工房、シルバースミス(シルバー、ゴールドなどの修復を主にしている)、陶器磁器修復があり、以前はブックバインダー(本の修復工房)、絵画の修復工房もありました。この建物の裏にはブラックスミス(鍛冶屋)、ストーンメイソン(石の修復工房)もあり、一箇所にここまで多くの修復工房が集まっている場所はイギリスには他に無いと思います。

このように同じ場所に多種の修復工房があるととても便利です。例えばアンティーク家具の修復の際に金具が壊れていた場合はシルバースミスの工房へ、椅子に張られているオリジナルの布を保存したい場合はテキスタイル工房へと持っていき修復してもらうことができます。アンティークの修復は様々な素材があり、それを修復する技術と知識が異なるので各分野のエキスパートが集まるこの場所で修復できないものは少ないです。

各工房についてはまた別の機会で紹介したいと思います。

Stable Courtyard2

馬に乗るときに使われていた階段が今も残っています。

fox hunting (4)

現在は年に一度のハンティングのときに使っています。