ここバーリーハウスには、あまり知られていませんがバーリーハウスに由来のある食べ物があります。

そのひとつはリンゴで、Lord Burghley(ロード・バーリー)と呼ばれる品種です。19世紀初頭にバーリーハウスの敷地内でリンゴの木が発見され、1834年には実をつけるようになり、1856年に王立園芸協会(Royal Horticultural Society)より一級品であるという証明書を受け取ったそうです。味は美味しく保存も長期にわたりきくそうです。私の住む部屋の裏にリンゴの木があり毎年沢山の実をつけます。品種は知らずにジャムにして食べてますが、もしかしたらLord Burghleyなのかもしれません。しかし、スーパーマーケットや街のお店ではLord Burghleyという品種のリンゴは見たことがありません。余談ですが、不思議なことにイギリスではリンゴジャムはお店で売ってないですし、イギリス人は食べません。

apple

もう一つはトマトです。イギリスで初めてトマトが栽培されたのがここバーリーハウスと言われています。バーリーハウスが作られた16世紀頃に温室で育てられたそうです。

意外なのは、このようにハウスに由来のある食材があるのにリンゴもトマトもバーリーハウスのレストランで料理に使われることもなく、バーリーハウス内のお土産品を売っている店でも販売していません。もしこれが日本であれば、このように由来のあるものは宣伝され、その食材を使った様々な製品が売られますが、イギリスではそのようなことはありません。

アフタヌーンティーの発祥の場所であるマナーハウス、ウォーバン・アビー(Woburn Abbey)に行ったことがありますが、ここも同じで「アフタヌーンティー発祥」などの謳い文句は全く無く特に宣伝されている感じは全くしませんでした。そもそも、ウォーバン・アビーがアフタヌーンティーの発祥の地であることを知っているイギリス人に会ったことがありません。

イギリスは食に関して地域ごとの特産品や名産品などが少なく、何処に行ってもスーパーマーケットの食材やレストランのメニューはほぼ同じで、地方色が非常に薄いと感じるのですが、それは上記のように特産品や名産品を作って人に楽しんでもらったり収益に繋げようという概念が無いからなのではと思います。ヨーロッパの他の国にはそれぞれの地域で地方色がありその土地の特産品や名産品をよく目にするので、地方色がないのはイギリス独特の文化なのだと思います。