The Marquetry Roomの次の部屋はQueen Elizabeth’s Bedroomです。

この部屋はQueen Elizabeth’s Bedroomという名称ですが、クィーンエリザベスが実際にバーリーハウスを訪問したときにこの部屋に宿泊したわけではありません。クィーンエリザベスはウィリアムセシルの他の邸宅には頻繁に訪問していたそうですが、バーリーハウスへの訪問はたった1度、しかもちょうど天然痘が流行っていたために滞在することはなかったそうです。

Queen Elizabeth’s Bedroom (5) Queen Elizabeth’s Bedroom (3)

この部屋で一番目を引くのはこの大きな天蓋付きのベッド。このベッドと脇に置かれている椅子はともに17世紀のものです。

Queen Elizabeth’s Bedroom (2) Queen Elizabeth’s Bedroom (1)

そして壁際に置かれているこちらの鏡。フレームはウォールナット材で作られ、鏡の周りにはウィリアム3世とメアリー2世の刺繍がなされています。この刺繍はスタンプワークという立体的に見える刺繍になっています。

Queen Elizabeth’s Bedroom (4)

数年前に、この刺繍をバーリーハウス内のテキスタイルの修復工房で修復したことがあります。その際に表面のガラスを外してみると、そのガラスは比較的新しく、厚みのあるものでした。そこで、薄い古いガラスに取り換えて、元のウォールナットのフレームを取り外し、膠(にかわ)で接着しなおしました。

バーリーハウスの学芸員の見解では、もともとのオリジナルは表面のガラスはなかったのではないか、とのことでしたが、ガラスがないと埃をかぶってしまったり刺繍が劣化しやすくなってしまうので、保存のためにはガラスが必要なのです。