これは懐中時計などによく使われるアルバートチェーンと言います。

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ビクトリア女王の夫であるアルバート公が好んで使っていたことからアルバートチェーンと呼ばれるようになりました。
T字の部分をボタンホールに入れて使われていました。
シンプルで上品なデザインで私も気に入っています。

ところで、イギリスのシルバーにはホールマークが刻印されることはすでにご存じだと思いますが、そのホールマークは各パーツそれぞれに刻印される必要があるのです。

たとえばティーポットやコーヒーポットなどは、本体部分だけでなくヒンジで結合されているふたの部分やふたの取っ手を固定しているネジにもホールマークが刻印されています。
取り外しができる部分については基本的には別々にホールマークが刻印されるのです。

そしてこのアルバートチェーン、イギリスで作られ正式にアッセイオフィスでシルバーの検査を受けたものについては、鎖の一つひとつにホールマークが押されます。

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さすがにメーカー、年代、アッセイオフィス、ライオンのマークの4つすべてが押されているわけではありませんが、ライオンのマーク(純銀であることの証明の刻印)が、この小さな鎖の一つひとつすべてに刻印されます。
(右下の写真の刻印は摩耗して消えかかっています)

イギリスのシルバー製品をお持ちであれば、この小さな隠れキャラのようなホールマークを探してみてはいかがですか?
簡略化されているものも中にはありますので、小さなパーツにはホールマークがない場合もあったり、小さな刻印なので摩耗して消えてしまっていたりもしますが、探してみるのも面白いかもしれませんね。