シルバーで作られたものにゴールドプレート(金メッキ)されている箇所があります。イギリスではSilver Giltと呼ばれています。

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古くから使われてきた技法で、18世紀までは水銀で金を表面に付着させ熱で水銀を蒸発させるマーキュリーギルディングが主流でしたが、19世紀になり電気メッキが発達しマーキュリーギルディングから電気メッキのゴールドプレートに移行していきました。その主な理由は水銀を使う職人が水銀で失明することが多く危険な作業であったためです。

ゴールドプレートがよくみられる箇所はスプーンの先、ジャグや小さなポットやカップの内側などです。全体が銀色で一部が金色であることで、デザインにコントラストができて色合いを美しくする効果もありますが、中に入れる液体や果物、調理された食材から出る酸や塩分などによって銀の表面が変色、腐食するのを避ける効果もあります。

もちろん金は昔から高価なもので珍重されてきたので、富を示すために高価な銀器全体をゴールドプレートすることもあります。銀の表面は硫化して色が黒くなりますが、金は全く変色しないので磨く必要もなく輝きを保つ効果もあります。

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ゴールドプレートは銀器を作り終えた後、もう一手間でありコストもかかります。ゴールドプレートは質の良い銀器を見分けるポイントの一つでもあると思います。