食事の際のナプキンは今ではテーブルに置かれているものですが、ナプキンリングが登場する以前は個々に布を持ち歩いていたそうです。ナプキンリングは19世紀の初頭にフランスで発明され上流階級の間で人気が高まり一気にヨーロッパ全土に広がりました。作られた主な理由は衛生面にありました。当時布のナプキンは毎日洗うものでなかったため、ナプキンリングをすることでどのナプキンが誰のものなのか容易に見分けることができるようになりました。イニシャルが入ったもの、番号が入ったものをアンティークのナプキンリングでよく目にするのはそのためです。

 

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上流中流階級では子供がクリスニング(洗礼)を受けた時のプレゼントや、結婚のプレゼントなどでイニシャルが彫られたものをプレゼントすることも多かったようです。

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ナプキンリングの素材は多岐に渡ります。シルバー、シルバープレートの他に銅、ピューター、真鍮、象牙、木、陶器、角、骨、ガラス、そして20世紀になるとベイクライト(初期のプラスチック)が加わります。

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現在ではフォーマルなテーブルでは欠かせないアイテムの一つになっています。テーブルをより個性的に見せるナプキンリング、セットのものをお揃いで使うのも良いですが、自分の気に入ったデザインのアンティークのナプキンリングを集め、各席ごとに異なるナプキンリングを使用するのもより個性的で魅力あるテーブルコーディネートになると思います。