先日、イギリスのニュースでイギリス人が選んだ発明ベスト10についての報道がありました。時代や国を問わず今まで発明されたものでトップ10に入るものについてです。ニュースの焦点はこの中にティーバッグが入っているということでした。

tea bag

順不同で、下記のものがトップ10に入ったそうです。
車輪、冷蔵庫、下水道、プラウ(耕すときに使う農機具)、ペニシリン、インターネット、鎧、電球、時計、ティーバッグ

上記のものの中にティーバッグだけ少し異質なものだったことからニュースで取り上げられました。

ティーバッグは1908年にアメリカの事業家であるThomas Sullivan氏が茶葉(loose tea)のサンプルをシルクの袋に入れて顧客に送ったところ、顧客はこれを袋のままお湯に入れるものだと思い込み、お茶をいれたことが始まりだそうです。偶然の間違いが発明に繋がったものです。

ティーバッグは今のイギリス人の生活にはとても重要なものとなっています。私の周りを見ても、仕事に出勤してまず紅茶、10時に紅茶、昼に紅茶、3時に紅茶、その間にも飲む人が結構います。そんな紅茶ですから手軽に飲めるティーバッグがとても普及しています。レストランやカフェのほとんどで茶葉で出てくることはとても稀で、ほとんどがティーポットの中にティーバッグを入れたものです。

またイギリス人の一般家庭でも茶葉から入れる人はとても少なく、イギリスに15年ほど住んでいますが茶葉で入れたお茶が出てきたことは数回しかありません(5回もなかったと思います)。
そこでバーリーハウスで働いている何人かのイギリス人に聞いてみました。答えは「いつもティーバッグだね」「茶葉から入れたのはもう何年、いや数十年ないよ」「スペシャルなゲストが来た時でもティーバッグだね。」というものばかりでした。

ではイギリスの上流階級はどうなのか気になりここバーリーハウスのバトラー(執事)に聞いてみました。「両方使うよ。キッチンが二つありお客さんの入らない裏のキッチンのときはティーバッグ、お客さんの入るフォーマルなキッチンのときは茶葉を使うよ。ティーポットにティーバッグでお茶を入れて、ティーバッグを取り出してしまえばゲストにはわからないからね。」と面白い答えが返ってきました。

SSG001-4 SSE021 (7)

イギリス人にとって紅茶は日々欠かせない飲み物。
ティーバッグはイギリス人の紅茶生活に大きな変化をもたらした革命的な発明だったようです。