イギリスはもうすっかり寒くなり、朝起きると外に霧が出ていることがあります。
霧の中にぼんやりとたたずむバーリーハウスはとても美しく幻想的です。

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霧と言えばかつて「霧の都ロンドン」と言われていましたが、ここでいう「霧」の正体は実はスモッグだった…というのをご存知ですか?

19世紀のイギリスの産業革命で、19世紀から20世紀中頃までイギリスの空は大気汚染物質でいっぱいだったのです。
特にイギリスの冬は寒いため、多くの市民が暖炉などで石炭燃料を使い、煙やすすが煙突から垂れ流し状態だったのです。

特に大きな被害が出たのが1952年の12月。
ほとんど前が見えず車の運転ができないほどで、ひどい地域では自分の足元すら見えなかったそうです。
健康被害ももちろんひどく、この冬は気管支炎などで亡くなった方が例年よりも4000人も多かったそうです。
結果的にこの年の死亡者数は12000人を超えたとか…。

「霧の都ロンドン」…響きはとても美しく、幻想的なロンドンの景色を想像しますが、実際は大気汚染だったのですね。
もちろん、今でも霧は出ますが今の霧はスモッグではなく、ただただ美しいイギリスの田園風景を見せてくれます。

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