イギリスにはナショナルトラスト(National Trust)とイングリッシュヘリテッジ(English Heritage)という組織があります。
どちらも歴史的な建造物や庭園などを保護する目的で設立されたものですが、ナショナルトラストはボランティア団体であるのに対し、イングリッシュヘリテッジはイギリス政府によって設立された組織になります。

イギリスにはお城やマナーハウス(貴族の邸宅)など、歴史的に価値のある建造物がたくさんありますが、広大な敷地と建物を維持していくには莫大な費用がかかります。
また、オーナーが亡くなった後、それを相続する際にも莫大な相続税がかかります。
そしてその費用を捻出することができなくなり、過去にはたくさんのお城やマナーハウスが廃れていったそうです。
ナショナルトラストもイングリッシュヘリテッジも、こうした建造物を未来に残し保護するために設立されました。

ナショナルトラストは1895年に創設され、534箇所の建造物や土地・海岸を所有しており、その200以上がマナーハウスやカントリーハウスだそうです。
管理維持しているのは建物だけでなく、そのガーデンはもちろん、ハウス内の絵画や家具、タペストリーなどのテキスタイル、所蔵されている数々のアンティークもすべてナショナルトラストが所有し管理しています。

イギリス国内のお城やマナーハウスや庭園などは、ほとんどが見学の際に入場料が必要となります。
このナショナルトラストやイングリッシュヘリテッジに管理されている場所では、その会員は無料で入場することができます。
今年(2016年)の年会費は大人一人当たりナショナルトラスト£63、イングリッシュヘリテッジ£52です。
お城やマナーハウスの入場料はたいてい£15くらいする(£20以上のところもあります)ので、1年間で5か所以上行くならば元が取れることになります。
私たちも去年1年間はナショナルトラストのメンバーだったので、15か所くらい訪れました。

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(左)ストーンヘンジ (右)物理学者ニュートンの生家

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(左)コーンウォール地方パドストウ近くの海岸 (右)マナーハウスCotehele

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マナーハウスLanhydrock

イギリスで少しのんびりとお城やマナーハウスを巡る旅をする際には事前に会員になっておくというのもよいかもしれませんね。