マロースプーン(Marrow Spoon)、マロースクープ(Marrow Scoop)と呼ばれるこの変わった形の珍しいスプーン、一体何に使われたのでしょうか?

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幅が狭く細長い形状のこのスプーンは、ボーンマロー(Bone Marrow、骨髄液)を食べる為のスプーンです。前回のブログの内容に関連するヴァイロールポットよりもずっと以前に使われたこのスプーン。17世紀の上流階級の食卓で通常のフォーク、スプーンやナイフでは骨の中に入っている牛の骨髄液を食すことは難しく、手で持ち、口にくわえ吸ったり、叩いたり、割ったり、噛んだりすることはエレガントではありません。そこで1680年代にこのスプーンが登場し普及し始めました。19世紀になると食卓に上る際に骨は食べやすいようにカットされ出されるようになったそうです。

骨とともにローストされた骨髄はパンにぬって食べるそうです。今でも食べれるそうですが私自身は食べたことはありません。

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変わった形状のスプーンであるため、イギリスではコレクターの間で人気の高いものです。銀でできたものの他に、骨製、象牙製、木製のものがあります。日本では目にする事がまずないユニークなスプーンです。

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