これは18、19世紀にフォーク、ナイフのハンドルとして使われた珍しいものです。クリーム色や白い素材で不思議な模様が特徴的です。
アンティーク関係の仕事をしている人でも知らない(見たことがない)人が多いものです。一体、何で作られたものでしょうか?

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石のようにも見えますが、これは、象の歯で作られたものです。
象牙はよくアンティークの素材で登場しますが、象の歯は滅多に目にしません。(永久凍土から掘り起こされたマンモスの歯の可能性もあります)

象の歯はこのような変わった形状をしています。

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(写真:History of Science Museumより)

これをスライスし磨き上げると上のカトラリーハンドルのような美しい模様が出てきます。

現在のように簡単に模様が作れるプラスチックなどが存在しない時代、美しく珍しいものを求め色々なものが自然界から採取され使われていました。これもその一つです。おそらく、象牙とは異なり加工が難しく、層になっている部分が剥離して折れてしまうことがあるのであまり普及しなかったのではないかと思います。