この道具、何に使うかわかりますか?
Sugar cutters
これはイギリス人でもほとんどの人が知らないちょっとめずらしい道具です。
イギリスのアンティークディーラーでも知らなかったりします。

これは、19世紀後半まで使われていたシュガーカッターもしくはシュガーニッパー(ニップス)(Sugar Cutters, Sugar Nippers, Sugar Nips)という、砂糖を砕く道具なんです。
砂糖というと、私たちはグラニュー糖や上白糖のようなサラサラの状態を想像するか、あるいは角砂糖のような使いやすい一定量のかたまりを想像すると思うのですが 昔はこんな形で売られていたんです。

Sugar cutters

この写真に写っているもので、高さは約35㎝くらいです。

昔の人はこれをハンマーや鑿などで割った後、このシュガーカッターで使いやすい大きさまで砕いていたのです。

最初の写真の右のシュガーカッターのハンドル部分に小さな突起があるのがわかりますか?
これをテーブルなどの上に置き、支えにして上から力を加えて砂糖を砕いていたのです。
大きな力がかかる部分のため、左のシュガーニップスでは折れてしまっています。
昔の人の生活を垣間見ることができて、とても興味深い道具ですよね。