アンティークによく出てくる素材で鼈甲があります。イギリスではタートルシェルと呼ばれ質の高い高価なものによく使われています。
鼈甲は色が濃い部分と茶色の半透明の部分からなる模様があり、磨くと光沢が綺麗な素材です。そして熱と圧力によって形状を自由に変えることができ、何枚か重ねて厚みのある鼈甲を作ることもできます。昔の製品の表面に貼られて装飾で使われることもよくありました。
使用頻度が多く擦れたりして表面に小さな傷がつき光沢が失われたり、直射日光に長時間あたり続け紫外線によって表面が劣化するとこのように輝きが失われます。これらは時間があるときにまた修復し光沢を戻したいと思っています。
左のページターナー(本のページをめくる道具)は状態がよく光沢が残っています。右は私が磨き直し光沢が戻ったものです。
髪飾りもあまり使われなかったようで、模様も美しく状態がよいです。
鼈甲は海亀の甲羅で、加工されていない状態ではこの様になっています。30センチを超える大きなものもあります。これらの加工されていない鼈甲はイギリスでは手に入れることが非常に難しいです。これは知り合いのアンティークディーラーから古いストックを修復用にと譲ってもらったものです。
バーリーハウスのオールドキッチンには、スープになった海亀の頭骨が飾ってありましたが、その甲羅はどうしたのだろうと思っていました。細工物に利用されていたのでしょうか?
鼈甲の装飾に向かない海亀もあるので、実際に鼈甲として使われたかどうか分かりません。鼈甲として使える甲羅であればきっと何かに使われたと思います。鼈甲は高価なものだったので。