本職のアンティーク家具の修復をしているとよく目にするのが日焼けによる色褪せです。日常、家具を使っていると毎日見ているので気がつきにくいのですが、修復をしていると普段目にしない箇所を取り外すことが多いので、はっきりと色褪せがわかります。

日焼け家具1 日焼け家具2

これらは真鍮の金具が付いていて、長い間日光が当たらなかった場所です。家具が作られた時にはこのようにかなり濃い色でしたが、長い年月をかけて色が褪せたことがわかります。この色褪せには2種類あり、表面の塗装の色の変化でおこったものと、木材自体が紫外線によって色褪せたものがあります。

アンティーク家具の場合、この色褪せもアンティークの味として見られることが多いのですが、あまりにも褪せ過ぎている場合は表面の塗装を剥がし塗り直しをすることがあります。

日焼け家具3

この家具にはられた象眼細工(マーケトリー)は、元々は色が濃く花はピンクなどの色合いで、葉は緑に染められており、現在よりもずっとカラフルでした。

現在のマナーハウスや博物館などでは窓に紫外線防止のフィルムを貼って、色褪せが進まないようにしているところも多いです。ここバーリーハウスの南側の窓には全てこのフィルムが貼られています。

窓際に置いてアンティークを眺めるのはより美しく見えて良いのですが、あまり長時間放置しない方が良いと思います。紫外線によって影響を受けない金属、ガラス、石などのもの以外でできたものは直射日光に当たらないように気をつけた方が良いです。色褪せだけでなく乾燥が進み割れてしまうこともあります。

特にガラスは時間帯によって当たる光が異なるので、私は窓際によく置いて楽しんでします。しかしガラスで一つ気をつけた方が良いのは球状のガラスを置く場合です。ビー玉やペーパーウェイト(球状のガラス)を直射日光に長時間当てていると日の角度によってはガラスがレンズのような役割を果たし、引火することがあるためです。実際に火事になったという話も聞いたことがあるので気をつけた方が良いでしょう。