電気のない時代、ろうそくの火は日常生活に必要なものでした。ろうそくの火を消すときに吹いて消すと、ロウや芯が吹き飛んで壁や家具に吹き飛んたり、熱い芯によって焦がしたり、火事になるリスクがあったため、ろうそく消しが使われました。イギリスではキャンドルスナッファー(Candle Snuffer)と呼ばれる道具です。
このタイプは蝋燭の炎の上から被せて酸欠状態にして消すタイプでかなり昔からあったようです。金属、陶器などで作られたものをよく目にします。日本でも目にするタイプのろうそく消しです。
もう一つのタイプはハサミ状になっており、挟んで同時に芯を切り取るタイプです。これは1776年にクリストファー・ピンチベック氏(Christopher Pinchbeck)によって製品化され特許が取得されたものです。挟んで取れた焦げた芯は箱状になった内側に残る仕掛けになっています。
私の持っているこのタイプは、本体は真鍮でできており、刃は鉄でできています。
イギリスではこのハサミ状のろうそく消しは非常に人気が高く1970年代まで作られていました。日本ではあまり見かけないタイプのろうそく消し、国と時代が違うと様々なデザインがあります。