スクラップブックとは一時的な筆記物および印刷物など、長期的に使われたり保存されることを意図して作られてないなものを切り抜き貼り付けた手作りの本のことです。

手書きのものは古くからありますが、現在アンティークのスクラップブックとして目にする多くのものは19世紀初頭からのものになります。産業革命がおこり印刷で良質なものを大量に作れるとようになったため一気に広がりました。

スクラップブック作りは女性たちの間で流行しました。19世紀初期は主に新聞、広告、雑誌、個人のメモ書き、スケッチ、思い出のあるものなどが白紙の本に貼り付けられました。

ビクトリア時代中頃になると写真が普及し中流階級の間では家族の写真、イベントなどで使われたチケットの半券、パンフレット、グリーティングカード、ポストカード、名刺、押し花、布、リボンなどが人気があったようです。

このようにスクラップブックの人気が高まるにつれて、製本の会社は革や綺麗な紙で製本された白紙の本を作るようになり、型で切り抜かれ(ダイカットされ)綺麗に色付けされたシートが作られて販売されました。19世紀後期にはイギリス、ドイツ、アメリカの企業が質の高いスクラップペーパーを作り人気があったそうです。(下の写真はスクラップブックに貼るスクラップペーパー)

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スクラップブックを見ていると当時の生活文化、習慣、趣味、嗜好、デザイン、個人の歴史など様々なことが詰まっていることがわかります。