ティーポットに必ずついているハンドルの素材について今日は注目してみたいと思います。
シルバーのティーポットのハンドルは年代や流行によってデザインや素材が変わってきます(コーヒーポットも同様)。
素材には黒檀(エボニー)、果実の木(主に梨、りんご、チェリー)、象牙、角、シルバー、ベークライト(熱に強い初期のスラスチック)、シルバーハンドルの上にケイン(藤)を編んだものなどがあります。
熱湯を入れて使うポット、熱伝導率の良いシルバーで全て作ってしまうと熱くて火傷してしまいます。そこで使われたのが上記の素材です。熱に強く、耐水性に優れた素材が選ばれました。
シルバーのハンドルの場合でも間に象牙などが入れられ熱が伝わらないように作られています。
ポットを通常の方法で使う場合は問題ないのですが、お手入れをする際に気を付けなければならないのがハンドルになります。絶対にしてはいけないのが、ハンドルを持って、洗ったり磨いたりすることです。ハンドルの接合部はシルバーのピンで止まっているだけなので、負荷がかかると接合部が緩みグラグラしたり、折れてしまいます。
バーリーアンティークスでは接合部のグラつきも全てチェックし修復して販売しておりますので安心してご使用できます。
サイトを見て恐れ入りますがご質問させていただきます。
イギリスシェフィールドのシルバーのヴィンテージポットを蚤の市で購入しました。
ハンドル部分が外れて、ピンが無く接着剤で修復された跡があるのですが、修理するために何かアドバイスをいただけたら大変有難いです。
修理であれば接着剤、修復であれば下記の方法になります。修理と修復の違いについては以前に書いたブログ「アンティーク家具の修理と修復の違い」を参照して下さい。
ハンドルの入る内側の隙間を埋め、シルバーのピンを穴に合わせて作り止める方法が正しい修復の仕方です。ただし、内側の部分が割れているとその部分を作り直す必要があるので、必要な道具と時間がかかる作業になります。内側の部分が割れているつなぎ目部分をいくつも修復しましたが、きっちりと修復するには費用がかかるためシルバー(純銀)ポットであれば修復しますが、シルバープレートポットを修復依頼するお客さんは少ないです。