食事の際のナプキンは今ではテーブルに置かれているものですが、ナプキンリングが登場する以前は個々に布を持ち歩いていたそうです。ナプキンリングは19世紀の初頭にフランスで発明され上流階級の間で人気が高まり一気にヨーロッパ全土に広がりました。作られた主な理由は衛生面にありました。当時布のナプキンは毎日洗うものでなかったため、ナプキンリングをすることでどのナプキンが誰のものなのか容易に見分けることができるようになりました。イニシャルが入ったもの、番号が入ったものをアンティークのナプキンリングでよく目にするのはそのためです。
上流中流階級では子供がクリスニング(洗礼)を受けた時のプレゼントや、結婚のプレゼントなどでイニシャルが彫られたものをプレゼントすることも多かったようです。
ナプキンリングの素材は多岐に渡ります。シルバー、シルバープレートの他に銅、ピューター、真鍮、象牙、木、陶器、角、骨、ガラス、そして20世紀になるとベイクライト(初期のプラスチック)が加わります。
現在ではフォーマルなテーブルでは欠かせないアイテムの一つになっています。テーブルをより個性的に見せるナプキンリング、セットのものをお揃いで使うのも良いですが、自分の気に入ったデザインのアンティークのナプキンリングを集め、各席ごとに異なるナプキンリングを使用するのもより個性的で魅力あるテーブルコーディネートになると思います。
ナプキンリング…私はテーブルのおしゃれの為に使われているのかと思っていました!
昔々は、ナプキンをその都度洗っていなかった事にもびっくりです!
nao様 コメント有難うございます。
日本ではおしゃれの為や特別なシーンで使っている人がほとんどですよね。イギリスでは日常的に使っている家も多いです。我が家でも毎日使っているので、お揃いのものではなく見分けがつくように異なるデザインのナプキンリングを使っています。布のナプキンを使うのはティッシュや紙のナプキンを使うよりエコですしオススメです。
はじめまして。マリルーと申します。
バリーハウスにお住まいとは、びっくりいたしました! NHKの番組で、拝見いたしました。ご出演の十四代柿右衛門氏は5年前にご逝去なさいましたね。
ナプキンリングの件、大変参考になりました。50代後半から、アンティーク(銀器・アンティークバカラ・食器など)やヴィンテージ、骨董品を購入するようになりました。最初は、白蝶貝のカトラリーにしても何を購入すればよいのかわからずとても困ったものでした。いまでもそうですが・・。
ところで、たまに拝見するイギリス在住のかたのブログ「修道士の泉のほとりで」に、興味深い記事がございます。日本での生活には当てはまらないですけれども・・。よろしかったら、お読みください。
ナプキンリングについて https://ameblo.jp/ysw/entry-10743144080.html
アフタヌーンティーについて https://ameblo.jp/ysw/entry-10583159281.html
末筆になりましたが(コメント欄が最初に戻れないのです)、
素晴らしいお仕事をなさっていらっしゃる岩田さまを、心より尊敬いたします!
突然に、失礼がございましたらどうぞお許しください。
マリルー様
ご返信が遅くなりましたこと、申し訳ありません。
アンティークがお好きなのですね。多くの上質なアンティークを見続けていれば、見る目が徐々に養われていくと思います。
ご紹介いただいたブログですが、興味深く拝見いたしました。大変考察が深く着眼点も面白いと感じました。
「上流は決してナプキンリングを使わない」ということは初めて聞いた話でしたので、せっかくこのような環境におりますので、その真偽のほどを本物の上流階級の人(バーリーハウスのオーナー)に確認しました。(なかなかタイミングが合わず、そのせいで返信が遅くなってしまいました。)
オーナーファミリーは、ナプキンは毎日毎食使っているそうですが、ナプキンリングを使うよりも、さまざまな形に折ってコーディネートする方がお好きだそうです。ですので、日常的にはナプキンリングはあまり使わないそうですが、フォーマルなディナーでは使っているそうです。スターリングシルバー(純銀)のものと象牙のものをお持ちだそうです。
バーリーハウスのオーナーですから、言わずもがな Upper Class(上流階級)です。こういう時代ですから、何に関しても「上流はこうだ」とひとくくりにはできないのでしょうね。