アンティークの世界にはよく見かけるものもあれば、めったにお目にかからない珍しいものもあります。
アンティークが好きで、毎日多くのアンティークに触れているとだんだんと珍しいものに目がいき欲しくなるものです。
今回出逢って手に入れた珍しいものは、19世紀にインドで作られたこのカメの箱です。
アンティークの世界ではカメの甲羅というとウミガメから取れる鼈甲が一般的です。
これはリクガメで、インドホシガメの甲羅が使われています。
世界で最も美しいリクガメと言われているマダガスカルホシガメ(ホウシャガメ)の親戚にあたるカメで、インド原産のリクガメです。
大昔、マダガスカル島とインドはくっついていたので祖先は同じですが、進化の過程で少し模様が違います。
ですので2番目に美しいリクガメと言って良いと思います。
一見、標本に見えますが、頭は木製で、横に鍵穴があり上部が開きます。
内部は美しい幾何学状の象嵌細工が施されていて、中央に小さなフタがあり小物入れになっています。
台座の幾何学模様の色と甲羅の色がマッチしておりデザイン的にも美しい一品です。
恐らく今年一番の珍品だと思います。