私の本業は修復で、アンティーク家具の修復がメインですが、時々レトロ・ビンテージの家具の修復もします。レトロ・ビンテージの家具とは、近年、人気が高まり価格が上っている20世紀中頃に作られたものを指します。

最近、修復依頼を受けたレトロ・ビンテージの家具が、日本でも知名度がある20世紀中頃に作られたG-PLAN(ジープラン)やErcol(アーコール)のものでした。

このG-PLANのテーブルはネストテーブルと呼ばれ、大きめのテーブルの下に二つの小さいテーブルが二つ収納できるもので、テーブルの天板が水、油、インクなどのシミが無数についておりかなり酷い状態でした。

G-PLAN1

持ち主は母親からもらい、思い入れのあるテーブルだったようですが、息子にしばらく貸したところこのようになって戻って来てショックだったようです。シミを取り除くのは大変でしたが、修復後はこのように綺麗になりました。持ち主はとても喜んでいました。

G-PLAN2

このErcolの鏡台は人気が高くディーラーが仕入れたものでしたが、アンティークフェアに出店している際に天板に置いたガラスのオブジェが原因で天板がコゲてしまいました。

Ercol1 Ercol2

オブジェの丸い部分がレンズのようになり太陽光によってコゲて煙が上がったそうです。

Ercol4
(アンティークフェアでの様子)

このようなことは稀ですが実際におきることがあり窓際に置いたボール状のガラスのペーパーウェイトで家が全焼したという話は以前に聞いていたことがありました。

Ercol3

コゲはそれほど大きくはありませんでしたが、深さがあります。この手の修復は非常に難しく古い傷や木目などのように見せることしかできませんが、ディーラーは高価な家具が再び売り物になったので喜んでいました。