アンティークでは、かつてセットであったものがバラバラになってしまっていることがよくあります。それは長年使っているうちに壊れたり、紛失したりするからです。時にはアンティークを購入した業者が利益を多く出すために、セットのものをバラして売ってしまう残念な人もいます。(アンティークのセットについては以前のブログでも書いています。)
イギリスではセットのものはバラバラにすることなく売るアンティークディーラーがほとんどで、それはとても良い習慣だと思います。一度、バラバラになると価値が下がりセットにすることが不可能になったり、非常に難しくなるためです。故意にバラすこと、つまり歴史を壊すのは罪と考える風潮があるのだと思います。
かなり以前にシルバーのティーポット(1910年)を手に入れました。
クリーニングと修復をする時間が無かったため、数年間手元に買ったときのそのままの状態で持っていました。昨年、偶然にも同じメーカーの同じ時代のミルクジャグ(1909年)とシュガーポット(1910年)が同時に出ているのを見つけ手にいれることができました。
この同時に出てきたミルクジャグとシュガーポットの年代は一年ずれていますが、銀の工房では前年に作ったものを翌年のものとセットにして販売することはよくあることです。
いつバラバラになったかは定かではありませんが、100年以上前にティー3点セットとして販売されたものが再びセットに戻りました。
アンティークの売り買いを長い間していますが、このようなことは滅多にないので思い入れのあるティーセットです。