イギリスは冬時間になりました。暗く寒くジメジメした冬の到来です。そんなイギリスで18世紀流行したのがトディーです。
トディーとはエール、ウイスキー、卵、砂糖、スパイスを熱して作るスコットランドの飲み物です。有名なのはホグマニー(スコットランドの大晦日のお祝い)で飲まれたり、寒い冬に身体が温まるので風邪を引いた時などにもよく飲まれるそうです。
トディーは主に大きめの深いボウル状の容器に入れられるため、それをグラスに注ぐための特別なレードルが作られ、18世紀から19世紀に普及しました。トディーは18世紀末には社交界で出されるエレガントな飲み物として定着しました。深めのボウルの底からもすくいやすいようにとても長いハンドルがついています。トディーが入る部分はシルバーで作られハンドルはクジラベッコウ、ツノ、木材などで作られています。温かい液体をすくうので、熱伝導率の高いシルバーだとハンドルが熱くなってしまうため、別の素材で作られました。
トディ―を注ぐための道具はレードルだけではありません。トディーリフターと呼ばれるものがあります。これはガラスでできており、デカンタやフラスコのような形状で底に穴が開いています。リフターの下部の丸い部分をトディーの中に沈め、上部の穴を指で塞いでグラスの上で指を離すとグラスにトディーが注がれるという仕組みになっています。
これはYoutubeに分かりやすい動画がありました。
少し変わったトディーという飲み物にはこのような独特な道具が使われました。イギリスではコレクターアイテムとして人気の高いアンティークになっています。