クリスマスと言えば、日本でもサンタクロースやプレゼント、クリスマスツリーなどが思い出されると思いますが、イギリスではクリスマスホリデーをとったり、クリスマスカードを送りあったり、家族が集まりお祝いをする習慣があります。

意外にも19世紀の初頭までイギリスでは誰もサンタクロースを知らず、上記のようなクリスマスでおなじみの習慣はありませんでした。1843年にチャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の書いた「クリスマスキャロル」が出版され、上流・中流階級でクリスマスを祝うようになりました。そして19世紀末には一年で最も大きなお祝いの行事になりました。

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Christmas carol2

産業革命の成功によって豊かになった人が増え、ホリデー(Christmas DayとBoxing Day)をとることができるようになり、イギリスの鉄道網が完備されたおかげで遠方にいる家族もクリスマスに集まることが容易にできるようになりました。また、鉄道網などが完備したことで郵便システムも向上しクリスマスカードを送りあうことが1870年頃から普及しました。

プレゼントはクリスマスの習慣が普及し始めた頃は手作りか高価なおもちゃでしたが、多くの中流階級が祝うようになり、ゲーム、人形、本、ゼンマイ仕掛けのおもちゃなどのマーケットができて、手頃な価格のものが増えました。1870年頃から貧しい階級の人々の間ではクリスマス靴下が流行し、靴下の中にはリンゴ、オレンジ、ナッツなどが入れられたそうです。

サンタクロースは1870年頃からイギリスでは知られ始めました。最初の頃は衣装は緑のものが多く、それは春が戻ってくるという意が込められていたからだそうです。

Santa Claus

クリスマスツリーはビクトリア女王の夫アルバート公(ドイツ人)がドイツの習慣を持ち込みウィンザー城でツリーを飾ったのが始まりだそうです。

Christmas tree

現在のイギリスで馴染みのあるクリスマスの習慣の多くが19世紀にでき、産業革命の影響が大きいことはイギリス人でも知らない人が多いようです。