先日、隣の工房の銀修復士がハンドルの根元が折れているので修復して欲しいと私のところに持ってきたシルバーの小ぶりのポット。(修復途中でまだ表面を磨いていないのでシルバーはくすんでいます)
裏を見るとジョージアンのホールマーク(刻印)が押されてます。
中を見ると底に何かがセットされる短い筒状の箇所が中心にあります。これはアーガイル(ArgyleまたはArgyll)ポットと呼ばれるもので、通常我々が使う紅茶用のものではありません。外観も少し異なり通常の紅茶用のポットよりスパウト(注ぎ口)が細く長めです。
18世紀にスコットランドのお城(Inveraray Castle)に住むアーガイル公爵(Duke of Argyll)が考案したグレービーソース用のポットです。寒いスコットランドの冬、大きな城に住むとキッチンから食事ダイニングルームまで距離がありローストディーナーには欠かせないグレービーソースが冷めてしまいます。
お城(Inveraray Castle)のリンク
このポットの中心に筒状の容器をはめ、その中には熱せられた鉄の棒がセットされグレービーソースを長く温めることができる構造になっています。
このポットのように内側に熱した鉄の棒を入れるタイプや、シルバーの筒状の密閉された容器にお湯を入れるタイプの他にポットの本体が二重構造になっておりサイドにある小さな穴からお湯を入れるタイプもあります。
とても珍しいポットで数も少なく、後に内側の筒が取られ紅茶用のポットに変えられたものも結構あったこともあり、現存する数は極めて少なく貴重でとても高い値段で取引されています。
珍しいポットを見せて頂きありがとうございます、名前を知りたいと思っているポットがあり、ご存じでしたら教えて下さい。
銀製で、家庭用のビールサーバーのような形をしていて蛇口から紅茶ポットにお湯が出るもののようです。
これも「ケトル」という名称なのか、ホットウォーターサーバーなのか、正式な名称は何でしょうか。大学に提出するレポートに引用するため必要なので文献を探しています。どうぞ宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。説明文だけで写真を見ていないので私が想像しているものとAkemi様がお話ししているものと同じかどうか分かりませんが、恐らく「Tea urn」もしくは「Samovar」のことではないかと思います。素材は、ほとんどが銀メッキ製(シルバープレート)、真鍮製、銅製で作られています。銀製(つまり純銀)のものはかなり数が少ないですが、存在はしており高値で取引されることがあります。